極北クレイマー ― 2009年04月24日 21時42分10秒
極北クレイマー 海堂尊 朝日新聞出版社
海堂さん4月発売の最新作です。
「極北」と名前が付いていることから、
「ジーンワルツ」に出てきた、マリアクリニックの院長の息子、
三枝氏にまつわる内容だろうなーと思っていましたが、ビンゴです。
かなり、突発的な出産時の妊婦死亡。
それは、どんなに慎重にしていても回避できなかった事例だが、
医療事故として立件されて、逮捕されたという出来事が
紹介されていたが、その逮捕に至るまでの経過などを書いた内容。
しかし、主人公は三枝医師ではなく、
極北市、は想像上の市ですが、イメージとしては
実在の夕張市に似ているなと思う
市の経営が破たんしている北海道の極北市。
そこの市民病院に、東京の大学病院から
医師が派遣されてきたことから始まる。
ものすごい大きな事件という訳ではなく、
辺境の地域医療や地方財政の現実を見せつけてきます。
これって、物語にアレンジしてなくて
かなり現実的にありうる話なんだよなーと、
その卑劣さに、少々読んでいて、がっくりきたり、
腹が立ったり、思い知らされたりしました。
後藤医師、相当だめな卑怯な先生ですが、
気持ちはわからないわけでもないなーと。
必死になったって、いくら頑張っても、それが当然。
ミスをした時だけ、非難されてしまう医療現場。
その辛さは痛いほど、わかりすぎるほどわかりました。
それなら、適当にやるさ、というのも・・・
宏明は妻の死の原因を知りたいだけだったのに、
尊敬できる医師が逮捕されてしまった…
医療とは人間を救うためのもののはずなのに、
それ以外のことで振り回されてしまう現実。
誰もが自分のいいように、周りを振り回そうとする…
そんな医療の不条理に、海堂先生は
かなりの憤りを感じて、この本を書かれたのではないか?
前作の「イノセントゲリラ~」と同様に、
医療の現実を、物語を通して訴えているように感じました。
個人的にはすごく興味ある、面白い作品なのですが
医療従事者以外の方だと、ちと、偏り過ぎていて、 わかりにくいのでは…と思いましたが
是非是非読んでもらいたい一冊です!
「日本人は総クレイマーだ。自分以外の人間を責め続けて生きている。」
否定できないところが悲しいですね。
個人的にブラボー♪だったところ。
他作品で、北の大地の救急センターに飛ばされた
ジェネラル!速水部長!!!
お元気でご活躍を…
たった一言でしたが、かなり嬉しかったです♪
海堂作品は、どの作品も登場人物が、少しずつ重なっていますよね。
姫宮も登場!今回はちゃんとしたドクターとしての登場で…ホロリ
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