閉鎖病棟2008年09月20日 20時03分02秒


閉鎖病棟 帚木 蓬生 新潮文庫

本屋で平積みしてあったので、図書館で借りてみた一冊です。
現役精神科医の作者が、患者の視点からえがく
入院患者の物語。

ラストでは思わず泣きました。
なんて純粋なんだろう、と。
30年以上入院している登場人物、
序章は登場人物がなぜ入院することになったのか、
そのいきさつが語られる。
そして、出来事を通して、社会の患者に対する現実など…

看護学生の時に、このような精神科専門の病院を
実習で見学しました。
当時、かなりショックを受けたのを覚えています。

解説で
「精神を病む人々を描きながら、刺激的な小説とは全く対照的な世界を構築、提示し、患者の立場から精神病院の実態を、公正に描き出した作品。この場合の公正とは、差別的な視点だけでなく、わざとらしい無益な同情、憐憫もないことを意味する」と。

人に聞かれたときに、お勧めしたい一冊です。