木に学べ2009年09月28日 07時35分30秒


木に学べ 西岡常一 薬師寺宮大工棟梁 

修学旅行の仕事の際に、法隆寺を見学していたときに、
その学校の校長先生がお勧めしてくれた一冊。

とても面白い本です。
1300年続く、法隆寺。長い時をへてもまだ健在の
世界最古の木造建築。
法隆寺は、過去に何度も修繕されているのですが、
建築技術は、飛鳥時代の方がレベルが高いそうです。
その時代には1000年を超えるヒノキなどの資材に恵まれていたからこそ、というのも理由の一つだか、
(現在、修繕をする場合には台湾に
木材を見に行かないといけないらしい。)
先を見据えた、永劫に続くようにと、
木材の資質を見極めて、その木にあわせた
方法で寺院を建てていたらしいです。

まさに「木を読み、木に学ぶ」のです。
現在の技術では、1000年を超えて存在できる建築は不可能だそうですね。
鉄やコンクリート、木より丈夫と思われる資材はありますよね。
でもこれは、200年から300年持てばいい方らしいです。
現代の住宅は「使い捨て」ともいえる建築らしいですね。

薬師寺を訪問したときに、聞いた話を思い出します。
東塔は、建築当時の1300年をこえるものですが、
西塔は再建されています。
東塔をそっくり再現したものですが、若干西塔のほうが高い設計になっています。
それは何故か?
「塔は建ってもそのままではない、塔自体の重みや
地盤の関係で少しずつ低くなる。
500年後に、同じ高さになるように、設定してある。」
500年後を見据えた設計なのです。

そんな風に、時を越えた、設計をするには
やはり、木の特性を生かさないといけないそうです。

個性のある木を建築に生かすための宮大工。
すでに,鬼籍に入られてしまった西岡さんですが、
この本が、西岡さんが語られたことを
そのまま本にまとめてある形式なので、
西岡さんのお話をじかに聞いているような感じでした。

これをもって、法隆寺、薬師寺を回りたいですね。
来年は、この本を読んでから、法隆寺にいけたらなと思います。