死因不明社会 ― 2008年05月12日 01時33分33秒

死因不明社会 海堂尊 ブルーバックス
チームバチスタの栄光で、有名にもなった海堂さんの本
Ai(オートブシーイメージング)海堂さんが、
他著書で何度も何度も訴えている「Ai」
死亡時にCTまたはMRIを撮ることの必要性を訴え続けている
その「Ai」を、既存の作品の登場人物 白鳥に対談しながら語らせて
その優位性を説明しているのが、すごい。
日本はタイトルの通り「死因不明社会」なんですって。
死因は、お菓子の箱を見て、箱のラベルを見て中身を決定するようなものなんだと、説明していた。
箱の中身は、ラベルと一緒のことが多いが、もしかしたら 食べ終わった箱の中に違うものが入っているかもしれない。
そんな感じ。
だから、箱を空けて中身を見なければいけないが、それが全くなされていない。 解剖という、遺体を切り刻む行為が遺族に敬遠されるからだ。
そこで、切り刻むことなく死因をある程度まで推測できるAiが必要になるのだ。
ものすごいしっかりした対談になっているだけでなく
わかりやすいんですよ。
検視・検死についてや、監察医制度などの仕組みなどもわかりやすい。
厚生省の今後の方向など、なるほど!と思う意見が沢山ありました。
勉強になります。
日本における解剖率って2%しかないって、衝撃ですね。
でも、必要がなければやらないでもとおもうのですが、 次のビックリ
死亡時の診断と、解剖することで判明した死因が
3割の確立で違うということ。
これは病院での事例。
病院では治療などで画像がとられていて、かなりの確立で判断できている・・・と思っていたが、3割の確立で違っている場合があること
しかしもっと問題になるのが、犯罪性のあるケースの場合、本来なら死んだ人に対して全てに解剖が行なわれるべきであるのに、司法解剖が行なわれていないケースも多いと推測される。
司法解剖、行政解剖、病理解剖、この正式な区別もよく分かりましたね。
看護師であっても、病理解剖は説明できても、司法解剖と行政解剖は説明できませんでした。
解剖1体につき30万の費用がかかり、その費用が充分にないことも、解剖の必要性を希薄にしている様子である。
確かにこの実情があると、全ての死者にAiを行い、真に解剖が必要な人と必要でない人を割り振る指標になる!という説明に強く納得です。
Ai、海堂さんの作品で、何度も登場していましたが、 これを読んで、ますます興味が出ました。
ふと思ったのですが、病院にいる医師はAiを嫌がるのでは…?と思いました。
死亡した時にAiをして、他の今までわからなかった疾患などが発見されたら、責任問題になるのでは?
そう思ったが、今は何かあると訴訟に発展する時代。
確固たる証拠が必要なんですね。
Ai導入に医師が多く賛成しているアンケート結果に意外性を感じました。
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