夕凪の街 桜の国 ― 2006年08月01日 07時23分23秒

「夕凪の街 桜の国」
こうの史代 双葉社
この方は、実はコミティアという同人誌即売会で
本を見かけてからずっと好きな作家さんです。
その方が、平成16年度に文化庁メディア芸術祭マンガ部門の対象を受賞した作品です。
内容は、広島の原爆体験です。
一つ目の作品は原爆投下から10年後からはじまります。
原爆の悲劇に関しては、ほとんどリアルには語られません。
「誰もあの時の事を語らない
でも、いまだに何がなんだかわからないのだ。
わかっているのは誰かに『しねばいいと思われた』のに
生きていることだ…」
と過去を語ることがあります。
そして、時代は進み、今に至るまで引き継がれていく
原爆の記憶。
多分、この本こそ、読んでもらわないとわからない。
読み手にも、本と真剣に向き合う心構えが必要だと思われる作品です。
こうのさんの作品は一切、トーンが使われていません。
全て手書きでかかれる原稿から伝わる
あたたかさ。
ちょっと真面目に物事を語るときに、
日本人として読んでもらいたい一冊です。
この作品は受賞したときに映画化が決まりました。
コミティアで、受賞を記念して原画展が開かれたんですよね。
その時にでかでかとポスターが張ってあったんですよ。
すごく楽しみです。
来年公開予定だそうです。
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